Love Birthday‥~約束~
溢れそうになっていた涙を腕で拭いながらスタッフルームに入ると、
ここでは一番若い理学療法士になって2年目の青木先生がいた。
「おっ、吉田泣いてるのか?」
「な、泣いてませんよ!」
「無理すんなって。俺も実習最後の日は泣いた覚えがある。
ほら、俺の胸で泣け!!」
青木先生が俺の顔を硬い胸に押し付けた。
「ちょ!! やめてくださいよ!!」
俺が慌てて逃げる姿に、青木先生は笑った。
そして俺の右肩にポンっと手を乗せ、心のこもった声で低く言ってくれた。
「お疲れさん」
俺は照れくさくて小さく頭を下げた。
青木先生とは実習中に何度か誘われて飲みに行ったことがある。
いつもおどけてて、青木先生の真顔というものを見たことない。
だから、急に『お疲れさん』なんて嬉しい言葉を言われてちょっと驚いた。
けど、すげー嬉しかった。