Love Birthday‥~約束~



あっ!! もしかして、あいつ……

四葉のクローバーを探してるのか?


中学生の頃に、女子が『両想いになれる~!』って四葉のクローバーを持ち歩いてたことがあったよな。


まさかあいつ、それをこの歳で信じてやってんのか?

まさか、まさかだよな……。



俺はふって鼻で笑っておきながら、愛実から目を離せずにいた。


だって、あんなに必死になって探してるんだ。





春だというのに、風にはまだ冬のなごりが残って肌寒い季節。


冷たくなった手を、時々口元に寄せ息を吹きかけ温めてる。



おーい。ほんとに何やってんだよ。



急に愛実がはっと目を見開いて、足元の芝生に手を乗せた。

だけど、その手に触れたのは探しているものではなかったらしく、大きくため息をついてまた他の芝生に目を向けた。




やっぱり四葉のクローバーを探してるんだな。


女子ってどうしてそういう迷信を信じるんだ?

俺には理解できない。

そんなもので幸せになれるなら、世界中で四葉のクローバーが高く売られてるよ。






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