Love Birthday‥~約束~
どうして前を見ようとしないんだよ。
足元の芝生を見るより、一面の芝生を見る方が綺麗なんだぞ。
それに、下ばかり見てると立ちくらみしちまうぞ。
ん? ……ていうか、俺なにしてんだ?
俺はここに存在してるのか?
わけわかんねぇ……。
遠い空を見上げた。
茜色の空が、優しく俺達を見ている。
綺麗だな……。
俺は胸一杯に大きく空気を吸った。
それなのに、愛実は沈んでいく太陽に焦りを感じているみたいだ。
おい、上を見てみろよ。
すげー綺麗な空だぞ。
おーい。
俺は遠くにいる愛実に歩み寄ろうとしたけど、足が動かなかった。
あれ?
やっぱり俺はここに存在してないのか?