Love Birthday‥~約束~




「志則……志則!!」


目が覚めると、真白い天井が視界に映り、

俺の名前を必死に呼んでいる親父がいた。



「父さん……?」




どうして親父がここにいるんだ?


ここは、どこ……?




視線を辺りに向けると、ここは実習で来ている病院の個室だということに気づいた。




俺、どうなっちゃったんだ?

たしか、女の子が階段から落ちそうになって、俺は……。



「父さん」


「今は何も言うな。ゆっくり休め」



質問しようとした俺を、潤んだ瞳の親父が止めた。



慌てて来たことが一目でわかる。

自動車の整備工場で働いている親父は、薄汚れた仕事着のまま立っていた。






< 89 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop