Love Birthday‥~約束~
嫉妬
金曜日の夜、ホテルの一室で緒方科長と体を重ねた。
一週間ぶりに触れられた体が素直に火照りだす。
実習生の吉田君が来てから、私の心は乱れっぱなしだった。
時計の針が5時を回る頃から、私の心の鼓動が狂い始める。
彼と二人で過ごす反省会の時間に合わせて、鼓動の速度がピークになる。
真剣に患者さんの話をしながら、彼の真っ直ぐな眼差しに魅かれていた。
「実習生の指導にちょっと熱を入れすぎじゃないか?
反省会の時間が長すぎるぞ」
「そんなことないわよ」
静かになったベッドで、緒方科長が私の肩に触れながら言った。
「学生になんか惚れるなよ」
「奥さんがいる人に言われたくないです」
「ははっ、それもそうだな」
「私がもし、他の人を好きになったらどうする?」
私の質問に、緒方科長の顔が固まった。
「そうだな……
もし好きな奴ができたら別れるしかないかな。
俺は結婚してるし……。
今の関係じゃ不満か?」
そんな質問しないで。
満足できる不倫なんてあるわけないでしょ。
こんな関係、寂しいだけだよ……。