Love Birthday‥~約束~
こんな親父、普通じゃありえないだろ……。
まだもうろうとしている頭で、その理由を考えた。
俺はたしかにあの時階段から落ちた。
女の子の赤ちゃんが目の前から消えそうになり、その子を抱き抱えたまま俺は落ちた……はず。
あの子はどうなったんだ?
それに、俺の体には機械やマスクがつけられている。
どういうことだよ。
どういうこと……
俺……もしかして……
大きな不安が頭を過ぎった。
そして、『もしかして』が『まさか』に変わった。
俺は自分の体を確かめる前に、窓の外に目を向けた。
窓から見える空は真っ暗で、長い沈黙の間に薄っすらと朝日が顔を出し始めた。