Love Birthday‥~約束~
息を荒くする俺に、緒方科長が酸素マスクをを付け直した。
「吉田、これから霧島先生がおまえの体の説明をする。
だから、無理に動こうとするな」
緒方科長の冷静な言葉は、俺を落ち着かせるためのものなのに、
俺には深刻な告知を予告するものに聞こえた。
高ぶる鼓動を感じながら、俺ははっきりと動く手に力を入れ握り締めた。
どうして……
どうして……
言葉に出来ないほどの不安と恐怖に襲われる。
ドアの前に立っている親父の姿が視界に入り、親父の顔に目を向けた。
親父は、すごく悔しそうに唇を噛みしめ真っ直ぐに俺を見ていた。
その顔を見て、俺は震えるほど力を入れていた手から力をぬいた。