ストロベリーパフェ/チョコレートパフェ
「まあな」

惟嘉は嬉しそうに笑ってる。
いつもにこりともしない惟嘉が、このときだけは笑ってくれる。
それがちょっと……嬉しい。

「惟嘉、そろそろそっちと交換して」

「はいはい」

にっこりと笑うと惟嘉は、パフェを交換してくれた。

……その顔に。
どきりとした。

「苺もいいけど、チョコもおいしー」

私の気持ちに気付かれたくなくて、ことさらはしゃいでみせる。

……惟嘉とこうやって出掛けるようになってもう三年。
初めはただ単に、お供が欲しかっただけだった。
でも、スイーツを食べてるときの惟嘉は、いつもと違って笑ってて。
その顔見てたらドキドキするようになってた。

……だけど。

「誰とも付き合うつもりない」。

いつか聞いた言葉が蘇る。
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