私と君の4日間。~伝説がもたらした奇跡~
バスを降りて決まった道を歩いて桜の丘の所まで来ると空を見上げる。空は薄くオレンジ色になっていた。
景色を見たい、そう思ったら見たくてたまらなくなった。私は足を止めて、前を歩く春優君に向かって言う。
「あの、私、丘に寄ってから帰るから先に行って!」
「お前バカなの?まだ完全に治ってねぇんだろ?」
「うっ…。でもごめん、どうしても行きたいの!」
「はぁ…じゃ、俺も行く。」
「え、一人でも大丈夫だよ?」
「風邪ぶり返して、俺のせいにされても困んだよ。」
ぶっきらぼうに言うと、春優君は石段を上がっていく。私はその後を追い掛ける。桜の木の下に到達すると、春優君はその場に腰をおろした。
「立ってないで座れば?」
「あ、う、うんっ…!」
私はちょこんと少し距離をあけて隣に座る。