私と君の4日間。~伝説がもたらした奇跡~
「春優君、私ね…夢の中で春優君のお母さんに逢ったんだ。」
「まじで…?」
「うん…春優君に自分を責めないで前を向いて生きて欲しいって…私は幸せだったって伝えてって言ってた…。」
しかし私が言い終わっても、春優君は黙ったままだった。ちょうど街灯が逆光となり、春優君の表情も読み取れない。
「春優君……?」
私が名前を呼んでみても返事がない。心配になった私は春優君の腕を掴もうとしたその時、私の背後から一台の車が通りすがった。ヘッドライトの明かりで一瞬見えた春優君は涙を流していた。
「春優君っ!?なんで泣いてるの!?」
私の声でようやく自分が泣いていた事に気が付いた春優君は自分でも驚きながら涙を拭った。
「…て、え、なんで涙…?つか俺、女の前で泣くとか、かっこ悪っ…。」
いつもとは全然違う少し震えた声。