私と君の4日間。~伝説がもたらした奇跡~

私は一人にさせないから、春優君のそばにいさせて、そう思った。春優君に伝えたいのに、拒否されたらと思うと、なかなか言葉に出来ない。


伝えなきゃ…今、伝えなきゃだめだよ…私。


私は少し下を向く。拳にギュッと力を込めると震える唇で思いを伝えた。


「私が…春優君の寂しさを消せる様に…頑張るからっ…一人になんてさせないから…春優君の側にいさせてっ…。」


心臓はバクバクだし、顔もいつも以上に熱い。混乱している私はもう爆発寸前みたいになっていた。私の手は明らかに緊張と動揺で震えていた。


恥ずかしい…!言った後で急に恥ずかしくなってきた…!どうしよう…!私はこのあと、どうしたらいいのー!?春優君、何か言ってー!!


「卯月……。」


不意に名前を呼ばれてドキっとする。


「……背ちっさ。」


「……ふぇ?」


私は予想外の言葉に一気に気が抜けた。顔を上げて春優君を見上げる。横向きになり街灯の明かりが差した。見えた春優君の顔はもう泣いていなかった。

< 116 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop