私と君の4日間。~伝説がもたらした奇跡~
自分の事が嫌になったからなのか、弥生君に言われたからなのか、ただ単に景色を見てなのか。
分からないけど、なんだか凄く切ない。
「もう帰ろう…。」
満開の桜を背にして私は来た道を歩き出した。
家の玄関を開けるとリビングの方から言い争う声が聞こえる。
またお母さんとお父さんがケンカしてるんだ。
もうっ…なんなのよ、毎日毎日…。
私は急いで階段を駆け上がり、部屋に入るとバタンッと勢い良くドアを閉めた。
もう嫌。今日は早く寝よう。
嫌な現実よりも夢の方が全然いい。
私は着ていたブレザーをハンガーにかけると、素早くお風呂に入った。部屋に戻る時もケンカの声がまだ続いていた。ベッドの上に倒れ込んで夕飯も食べないまま眠りについた。