私と君の4日間。~伝説がもたらした奇跡~
家に帰ると、珍しく言い争う声が聞こえない。
リビングを覗くと、夕飯を作るお母さんの姿があった。私はドアを開けて中へ入った。
「あら、お帰り〜。」
「ただいまー。」
「今日は未春の大好きなハンバーグよ〜。早くカバン置いて来なさい。」
「うん。」
今日は少し機嫌がいいお母さん。最近機嫌悪かったから、なんか変な感じだな…。
私は自分の部屋の机の上にカバンを置くと、再びリビングへ戻った。テーブルの上には既に料理が並べられていて、お母さんは先に座っていた。
「さ、食べよっか?」
椅子に座ると、いつもと違う事に気が付いた。
「そういえば、お父さんは?」
私の質問に少し間を置いて、お母さんは言った。
「…あの人は出張でいないのよ。」
そういえば昨日の夜、リビングにキャリーバッグが置いてあったっけ。あれは出張のお父さんのだったんだ。