私と君の4日間。~伝説がもたらした奇跡~
両手で持たれた本は見たことのある表紙だった。あ、一度読んだ事ある本だ。でも、香奈子は万遍の笑み。せっかく私のために持ってきてくれたんだし、借りておいた方がいいよね。
「前から読んで見ようと思ってたの!ありがとう、香奈子。」
香奈子の顔色を窺う。
「どういたしましてー!」
すっかりご機嫌の香奈子。よかった、笑ってくれて。私はホッと胸を撫で下ろす。
周りを見渡すと、教室には気付かない間に沢山のクラスメイトが集まっていた。
時計を見れば、あと10分でホームルームだった。引き続き香奈子と他愛のない話をしていると、担任の先生が教団に立って出席を取り始めた。
あいうえお順で早々に名前を呼ばれた私は返事をする。その後も誰も欠けることなく、順調に出席取りは進んでいく。
しかし、最後の方で流れが止まる。