私と君の4日間。~伝説がもたらした奇跡~
「よし、じゃあ次、女子なー!」
私はラインに合わせて香奈子の隣に並ぶ。音が流れ出して一斉に走り出す。徐々にテンポが上がっていく中、必死についていく。
うう…もうダメだ…。
次のラインまで行ったら記録を諦めよう。
もうすぐ到達するというところで、視界がグラりと揺れてつまずいてしまった。
「きゃっ…!」
しかし、転びそうになった私は倒れ込むことはなかった。どうやら誰かに支えられたようだ。
「え、弥生君っ!?」
「ちっ…お前、まじで迷惑。体調悪いんだったら保健室行けよ。」
「ご、ごめん…。」
ラジカセで流れていた音が止められ、私達の所に先生と香奈子が駆け寄ってくる。
「卯月、大丈夫か?!」
「すみません、保健室行ってきます…。」
「未春、一人で大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。」
私はとぼとぼと体育館を出た。