私と君の4日間。~伝説がもたらした奇跡~
「っはは!お前、面白いのな!俺は男だから大丈夫。それに昨日は夜遅かったから送っただけだし……」
「でも送る!絶対に送るから!」
私は春優君の言葉を遮って強く言った。
だって夢みたいな結果にはしたくないもん。
結果を知ってるのに、そのまま見過ごすなんて出来ない。春優君は私が絶対に助けるんだから。
「必要ねぇよ。…まぁ、後ろを歩いてる奴を止める義理はねぇけどな。」
それはつまり、ついて行ってもいいって事だよね?
「うん!私、後ろを歩くね!」
「ちっ…。」
私は春優君が歩いて行く後ろを歩いた。ただ後ろを歩いてるだけなのに、すごく嬉しかった。
ずっと歩いていると見覚えのある家に着いた。表札には弥生の文字が書かれている。ここは春優君の家だ。
「家ここだから。気を付けて帰れよ。」
「うん!じゃあ、また明日ね!」
別れるのは寂しいけど、この後の展開をどうにかしなきゃ。
私は笑顔で春優君が家に入るのを見送ると、帰る振りをして木に隠れて、その時を待った。
空は紅色から黒へと変わりつつあった。