難あり編集者と極上に甘い結末
しっかりしなよ、と言って岩崎さんが優しく笑う。
その笑顔が本当に優しくて、でも、本当に心配をしているような表情が垣間見えるのが苦しいくらい嬉しくて、私はまた泣いていた。
「また泣く」
また泣き始める私を岩崎さんが抱きしめる。
「ちょっと……本当にちょっとだけ、怖かった」
「うん」
「怖くて、岩崎さんって、何度も心の中で呼んで」
「うん」
「そしたら、本当に岩崎さんが来て……」
「うん」
────ああ、私、昨日、決めたばかりなのに。
昨日、必死になって自分に言い聞かせたはずなのに。
「私が、本当に……岩崎さんに、恋しちゃったらどうするんですか」
もう、こんなにも大きく、激しく揺らされている。