向かい合わせ
プロローグ
真っ青だった空が夕焼け色に染まる頃、学校の図書室に行くと、あなたはいつも本を開いて座っていた。

今日も同じで、日差しがほのかに当たる端っこの席で、一人、静かに座っている。

日差しに当たったその背中は、いつも大きく、優しく見える。


そんな彼の背中を見ては、毎回嬉しく思う自分がいることに、私は気付き始めていた。
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