‐部恋。 Round 02‐


―――――――――…


休憩時間。

前に座る永井さんが
振り返って笑いかけてきた。


振り返ったときに
フワッと甘い香りがした。


『長川さんのこと、
 何て呼べばいいかな?』

「…えっ?」


『さっき、田原くんと
 話してたの聞こえてたんだ。
 あたしも1年の頃の友達、
 みんな違うクラスに
 なっちゃって…。』

「…そうなんだっ!」


やった!仲間だ!
永井さんに親近感がわいた!

つくづく私って単純…。


『それで、何て呼べばいい?』

「愛奈でいいよっ!
 あたしこそ何て呼べばいい?」


『ハナって呼んで♪』

「あれ…?
 永井ハナって名前だっけ?」


『ううん!
 本当は春奈っていうんだけど、
 小さい時からのあだ名で
 ハナって呼ばれてんの。』


「そっか!」


そう言うハナの
照れくさそうな笑顔は
妙に安心して、
すっかり心地よかった。


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