‐部恋。 Round 02‐

――――――…

『実は…あたしの友達、
 北山くんに恋してたんだよね…』

「こ、恋…。」


『誰っていうのは
 もちろん言わないよ?
 その子は他にも
 ライバルがいたから、
 よく相談のっててさ。』

「ライバル…って!
 他にもいたの!?」


『愛奈、なーんにも知らずに
 恋に奮闘したんだろうね…(笑)
 かわいい奴ー。』

「あっ、今ちょっと
 バカにしたでしょ!」


ハナは意地悪な笑顔で笑う。


『さすがに知ってると思うけど、
 北山くん、クラスでほとんど
 女の子と話さないでしょ?

 まぁ、そこが彼女たちには
 良かったんだと思うんだけど、
 話しかけることすら
 難しいって言ってたよ。』


「そっかー…。」


『たぶんこの学校の
 ほとんどの人が
 愛奈たち付き合ってること
 知らないと思うな。

 だって北山くんが
 女の子と親しそうに
 2人きりで話したりしてたら、
 絶対に噂されるに
 決まってるもん!
 多分愛奈はマネージャーだし、
 2人きりで話していても
 他の子から見ても違和感は
 なかったんだろうね…。』


「なるほど…。

 サッカー部員は
 付き合ってること
 知ってるけど、
 部員たちがわざわざ
 広めることもないと思うし、
 確かに知られてはないかも…。」


『噂って厄介だしね…。
 今はこのままがいいかもね。』

「そうだねー…。」


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