‐部恋。 Round 02‐


「…あたしね、
 勇介と違うクラスで
 少しホッとしたんだ。」

『何で?』


「同じクラスだと、
 嫌でも勇介が一緒の空間にいて
 気が抜けないでしょ。」

『そんなに嫌かよ(笑)。』


「そうじゃなくて。
 色んな勇介の一面は
 自分で見つけていきたいの。」

『ふぅ~ん。
 俺はクラス離れて
 残念だったなぁ~。』


「へぇ~?意外だね。」

『俺の知らないところで
 お前は男友達とか
 簡単に作るんだろうなぁ
 って思うもん。』


「あたしって、
 そんなに浮気者?」


『浮気者っつーか、
 八方美人だろ(笑)。』

そう言ってクスっと笑う。


「あ、だから今日クラスに
 遊びに来たの!?
 監視!?ヤキモチ!?」

『お前…、何でそんな
 嬉しそうなんだよ(笑)。』


「ちょっと質問に答えてよ~!」

『ちょっー…!やめろって!』


私は勇介に飛びつき、
髪の毛をくしゃくしゃにすると、
今まで見せたことのない
勇介の可愛い笑顔が見えた。


喉の下の方がギューッとして
苦しくなった。


―――…


「あれっ?勇介くんだ。」


私たちがはしゃいで
大笑いしている後ろから
勇介を呼ぶ声がした。

私と勇介は我に返り、
同時に振り返る。


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