‐部恋。 Round 02‐

―――――…


桜井くんについて協力しようと思ってみたものの、1年生に部員を除いて知り合いがいない私は早速なにもできなかった…;

1年生の部員に手を借りたら、私が協力した意味が全くない。


どうしようかな…。



―――――…

「潤ちゃーんっ!」

こんな時に頼りになるのは、やっぱり潤ちゃん!
私は教室のドアから潤ちゃんを呼ぶと、嬉しそうに微笑んでくれた。

『あれ?会いに来た理由はあたしで良かったの?彼氏にじゃなくて(笑)?』

潤ちゃんはからかって勇介をこっそり指さす。



「ちょ…、潤ちゃん!今はそっとしておいてっ!」

私が小声で指さす方を阻止すると潤ちゃんは笑いを堪えるのに必死。


コソコソしつつも、ドアの前で目立ってしまったのか勇介と目が合ってしまった。

私は何も言わず小さく手を振ると、勇介は片手を軽く上げた。


『あ、無言の会話ってやつ(笑)?新鮮だね。』

そうやって潤ちゃんがしつこくからかってくるので、私は潤ちゃんを廊下まで引っ張りだす。


『もう、何の用事?』

さすがは姉さん。切り替え早すぎです。


「潤ちゃんって1年生に知り合いいない?」

『1年生?』

「楓高サッカー部の未来を担うかもしれない1年生がいるの!」

『そんなのあたしに頼まなくたって…』

「分かってる!でも部員たちは試合前だから…!」


『ねぇ愛奈?』

「んっ?」

『あたし達って中学からずっと一緒でしょ?』

「うん、そうだよ?」

『あたしが後輩と話してるの、今まで見たことある?』

「え?ないよ?」



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