‐部恋。 Round 02‐
部員たちを教室に帰すと、桜井くんは少し微笑んでペコっと頭を下げた。
『久しぶりっすね。』
「あ、良かった。覚えてくれてた?」
『最初、制服だったから分かんなかったっすよ。』
「ごめんね、突然。」
『なんかあったんすか?もしかして中島関係?』
「えっ!なんでわかったの!?」
『だってアイツ、今までサッカー部の誘いばっかだったのに、急に何も言わなくなって。あまりに変わり過ぎるから変だなって思ってたんすよ。そしたら先輩現れて、なんかつじつま合っちゃった。』
「そっか…。なら話は早いかな…。あのね、あたし桜井くんの怪我の話聞いちゃったんだ。」
桜井くんは少し戸惑った表情を見せたかと思うと、小さく笑ってみせた。