‐部恋。 Round 02‐
『なんか…最近ほったらかしててごめんな。』
「え?」
『ちょっと気になってた。寂しくさせてないかなって。』
…実は少し寂しかった自分がいた。
今はみんな試合に向けて必死なんだけど、置いてけぼりにされてる感覚だったんだ。
私も一人のサッカー部員として戦うつもりなんだけど、プレーしない分、必死さが足りない気がした。
『愛奈、おいで?』
そう言って少し手を広げた。
私は座ったまま勇介にもたれると、後ろから優しく抱きしめられた。
久しぶりに勇介に抱きしめられる。
それだけなのに胸がいっぱいになる。
自分でも気付かないくらい我慢してたみたい。
何も言葉を交わさなくても、勇介はきっと見透かしてる。