おいしい話には裏がある
お仕事始めました。
『………は??』

「だーかーらーぁ。昨日話した日給15000円のバイト。明日からだから。」

『いやいや、聞いてるのはその仕事内容よ!もう一回言って!』

「ちゃんと言ってなかった?パパのお友達の瀬戸さんがぎっくり腰やっちゃって、その時右腕ついて骨折もついでにして。入院してたんだけど明日退院なんだって。で、女の子に身の回りのお世話頼みたいらしくって。奥さんいないし、まわり男ばっかりで気が利かないから、ぜひともバイトを雪杏(ゆあん)に頼みたいって。」

淡々と説明をしてくれる我が母ですが。

いやいや、問題はそこじゃない。

瀬戸さんって言ったわよね、今?!

『瀬戸さんって…理一(りいち)くんのことだよね?!』

「そうよ。よく家に来る瀬戸さんよ。雪杏昔からなついてたし、仲良しでしょ。」

だーかーらーぁ。

そんな問題じゃない!

確かに内容きちんと聞かなかった私が悪いかもだけど。

『何、ふっつーにヤクザの家に娘を送り込もうとしとんじゃーっ!!』

私の叫ぶ理由もわかるよね?!

私まだ21歳だよ?

女子大生だよ?

何、男ばっかの危ないところに行かせようとしてるわけ?!


< 1 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop