おいしい話には裏がある
「雪杏、楽しみにしてる。」

理一くんは笑顔で返してくれた。

一切、私はあーくん達の方を向かなかった。

なんか女をバカにしてる。

確かに抱いてほしいと、それだけでいいという女の人もたくさんいるのだろうけど。

好きになってもらえるかもとか、中には考えてる人もいるだろう。

それに答えて抱いた時点で、処理なんて言葉で相手を下に見るのが許せない。

そんな人達だと思いたくなかったなぁ。

理一くんの息子さんが、そんな考えの人なんてショックだぁ。

「台所はこっちだぞ。」

怒りに任せてズンズン突き進む私の手を引く朔ちゃん。

『あー!なんか腹立つ!』

朔ちゃんは笑いながら、

「今、かなりショック受けて凹んでるだろうな。おもしれぇ。」

まぁ、言い過ぎた感じもするけど。

でもわかりあえないから、こればっかりはしょうがないわ。

『私、関係ないのに悪いことしたかな?2ヶ月しか会わない人達なのに。』

「いやいや、27歳だからもう落ち着いてもいいだろ。雪杏は悪くないぞ。」

頭をポンポンしてくれるけれど、なかなか心は晴れなかった。
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