おいしい話には裏がある
てか、いつまで寝たフリしなきゃいけないの?

と、思ってたら。

「雪杏、起きてるんだろ?」

理一くんの確信して断定してる声。

「えっ…雪杏?」

焦るあーくんの声を聞きながら、少しずつ目を開けていく。

最初に目に入ったのは、困った顔のあーくんで。

『おはよ?うございます。お帰りなさい、嵐瓏さん、炎さん、昴さん。』

「オレまでさんづけ?!オレは一途だよ~。コイツらと一緒にしないで。」

昴が情けない顔で訴えてくる。

『いや、まだほとんど知らない人だし、年上だからって言ったと思いますよー。』

「知らないとか傷つく。雪杏ちゃん、仲良くしよう?」

ギロッと昴を睨み付けているあーくん。

昴は気にもかけていない風。

『はい。昴がそう言うなら、お友達になりましょう?』

「やった!こんど買い物一緒に行こうな!」

『あっ、じゃあ画材がかなりかさばるので、ついてきてくれる?』

「絵を描くの?絵を見せてくれるなら、いくらでも付き合うよ。」

やったぁ。

すごく助かる。

しかも絵を見せるだけなら、お安いご用です。

嬉しくて、私はニコニコです。

『てか、絵なら…目の前にもあるよ?』

首を傾げる昴に。

『そこに飾ってある絵、私が描いたものだよ?理一くんがどうしても欲しいって言ってくれたから、あげちゃった!』
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