おいしい話には裏がある
「ええっ!これか?」

炎がびっくりしてる?

続けて。

「若が欲しがってたけど、絶対ダメだって譲ってもらえなかったやつじゃん!」

そうなの?

あーくんをじっと見ると。

「ああ…。」

って、呟いたまま私を見てる?

「どうりでオヤジが教えてくれなかったわけだ。画家の名前教えろって言っても、口割らなかったからな。」

まぁ、教えても無名だしね。

コンクールで名前が上がるくらいだし。

『んーと、ありがとうございます?そのうち有名になって、この絵の価値もどんどん上がる予定なので、理一くん待っててね!』

「いや、上がっても誰にも譲らないからな。オレが死んだら嵐瓏にやるのを考えてもいいけど!」

「考えるだけかよ!」

「当たり前だ。これは雪杏が初めて大きな賞をとった時のものだ。お前が持つにはまだ早いわ。」

親子喧嘩が始まった。

『まぁまぁ、理一くん。そこまで大事にしてくれて、ありがとう。頑張って有名になるからね!』

「ああ。でも、集中し過ぎてまた倒れるなよ?」

「倒れたのか?」

焦るあーくんの顔。

表情にでない人かと思ってたけど、そうじゃないみたい。


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