おいしい話には裏がある
お仕事がお休みなのです。
「雪杏、クラブ久しぶりじゃない?」

「そーそー。最近、付き合い悪いもん!」

久しぶりに土曜日、理一くんのお世話が終わった後に、友達の咲里(さり)と美紅(みく)とクラブルークへ。

Rookはチェスの駒で、城とか戦車って意味らしい。

私的にはここは城だと思うけど、バックに組がついてるらしいから、鉄鋼の壁って感じで戦車でもあると思う。

あれ?よく考えたら、どこの組だろ?

『まぁちゃん、ここってどこのシマ?』

「瀬戸だよ。」

バーカウンターの中にいる、バーテンダーのまぁちゃんに尋ねる。

やっぱりそうか。

クラブだから、トップはあーくんかな。

「どうした?そんなこと聞くなんて。」

『ううん~。組長さんは昔から知り合いだけど、若頭さんは最近知り合ったの。』

「えっ。最近?」

咲里が聞いてくる。

『うん。組長さんは父の友達だから、よく家に来てたの。若頭さんは最近組の方に行くから、それで会った。』

「最近…だから、若が余計女寄せ付けなくなったとか…か。まさかな。」

まぁちゃんがマジマジと私を見ながら、ブツブツ言ってる。

「雅(まさ)さん、もしかしたら原因は…。」

咲里も謎の発言をまぁちゃんに返す。

「たぶんな。組長もそれで今まで会わせなかったのかもな。女遊びの対象にされても困るからな。」

「そんなことされたら、組だろうがなんだろうが、暴れてやる!」

咲里さんご立腹。


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