おいしい話には裏がある
「…変なヤツ。」

プッと笑う藍色さん。

笑うと幼くなるのね。

可愛い。

これがギャップ萌えかしら。

藍色さんは目の前にしゃがみこむと、なんとお姫様抱っこしてクルマに向かう。

「若?!」

金髪さんとメガネさんが同時に叫ぶ。

「家まで送る。」

『ええっ。大丈夫です。もう少ししたら歩けますから。』

「黙って送られとけ。もう夜中だ。あぶねぇ。」

クルマの後部座席に乗っても、何故か膝の上のまま。

『あのぅ…降ろしてください。』

小さな声で言うけれど。

「このままでいいだろ。」

窓の外を見ながら、片手で私の髪の毛をすいている。

は、恥ずかしい。

クルマに遅れて乗ってきた、金髪さんとメガネさんが凝視してる!

「若、女嫌い治ったの?」

金髪さんが恐る恐る聞いてくる。

「コイツは平気。」

しれっと答える藍色さん。

金髪さんの体がプルプル震えだして、

「やったぁ~!ついに若、脱・童貞っすね!やりましたねっ。いやぁ、これでうちの組も安泰だ!いてぇ!」

なぜ、脱・童貞が安泰なんだ?

助手席からメガネさんが金髪さんの頭を、かなりの力で叩いて未だに悶えてる。

藍色さんは知らん顔。
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