おいしい話には裏がある
あれ?

ホストさんが全員固まってる?

「律、話せ。」

ハッと我に返った律が。

「オーナー、雪杏ちゃんと知り合いですか?!てか、雪杏ちゃんが彼氏いないからって、立候補するやつが集まってきましたっ。みんな、撤収!」

「はいっ!」

一斉にバラけていく皆さん。

私と一緒にソファーに座る加賀旭日さん。

「雪杏、ここは社会勉強になったか?こんどからはオレのいるときしかダメだぞ?連絡してこい。」

腰を持ったまま、至近距離からそう言うから。

大人しく頷くしかなかった。

「次、会えたらなんでも教えるって言ってたよな?」

『うん。加賀旭日さんは何が知りたいの?』

「旭日でいい。まず、名字、年齢、ケータイ、仕事…いや、まだ学生だよな?」

矢継ぎ早に質問責め。

迫力があって怖い!

でも、約束は約束だから。

『うん、大学三年の21歳。名字は羽山。…てか、ん?旭日は加賀組なの?!』

「今さら?!」

この前運転手してた金髪さんが、でっかい声で突っ込みをいれる。

「ここのオーナーで加賀組の若頭ですよ。」

助手席だったメガネさんが続けてくれる。

ありゃりゃ。

確か、瀬戸と繁華街を二分してるとは聞いたけど、よりによって若頭さんと知り合いになっちゃった。

仲は悪くないとは聞いてるけど、理一くん怒るかなぁ。
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