おいしい話には裏がある
「雪杏っ!」

あーくんの怒鳴り声が店中にしたかと思ったら。

腕を引っ張られ、あーくんの腕の中。

かなり混乱ぎみですが。

「どういうことだっ?!なんで加賀と飲んでんだよ?しかもホストクラブで!」

『あーくん…?』

「雪杏、答えろ。」

恐い顔して睨んでる。

『キャッチがしつこかったから、ホストクラブ体験してみただけだよ。旭日は最近知り合ったの。さっき、加賀組の若頭さんって知ったんだよ。』

「旭日って呼んでんのか?」

あーくんもそこ?!

旭日と同じ反応だ。

「いい加減、雪杏を放せ。テメエのじゃねぇだろ。」

旭日がキレた?

「ああっ?!お前になんで言われなきゃいけねぇんだ?!」

あーくんもキレた?

「お前は誰でもいんだろ!オレは雪杏以外いらねぇんだよ!お前みたいに誰とでもヤるようなヤツ、雪杏が好きになるわけねぇだろ。そんな汚ねぇ手で触んじゃねぇよ。」

その言葉を言い終わる前に、旭日の腕の中にすっぽりおさまる。

力強い…。

かろうじて顔だけ出して、旭日を見上げると。

『旭日、苦しい~!』

あーくんと睨みあいしてる旭日に抗議する。

「っ!!くそ可愛いな、雪杏。もう少し待て。その顔はオレ以外に見せるな。」

『?』

どの顔だ?



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