おいしい話には裏がある
「お前、名前は?」

「亜南(あなん)だよ。」

「亜南か。」

「うん!パパの名前の一文字とったって、ママが言ってた。」

「お前のパパはどこだ?」

名前の一文字…。

「えっ、パパでしょ?あーパパ何言ってるの?」

不思議そうにオレを見てくる亜南。

なんか…信じらんねぇけど。

亜南は未来から来たオレの子供か?

…オレはアホか。

んなことが起きるわけねぇだろ。

「パパの一文字って、“あ”の文字?」

珠吏が恐る恐る亜南に問いかける。

「うん!」

「若!未来の若と雪杏ちゃんの子供だよ、きっと!」

珠吏が堂々とメルヘンワールドな宣言しやがった!

「しかも、旭日の“あ”だよ!」

「いや、待て。嵐瓏の“あ”かもだぞ?」

聖が余計なことを言い出す。

確かに同じ“あ”で始まる名前だった!

いや、でも亜南はオレに“パパ”って言ってんだぞ?

じゃあ、オレの子だろ。
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