魔法使いの素質ナシ?
「ただいまぁ…」
結愛はとりあえず着替えようと、自室へ向かおうとしていたが、階段を昇りきったところで、母親から声をかけられた。
「どうしたの?
お茶用意したから、着替えたら降りてきな?
紅茶のクッキーも買ってきたから」
「いらない…」
「そんなこと言わないの!
結愛が降りてくるまで、お母さん待ってるから!
それに、もうすぐお姉ちゃん帰ってくるよ?
ずっと、会いたがっていたじゃない?
いつ、この家に戻ってくるのって」
「わかった…
着替えたら下に行く」
結愛は昨日まではお姉ちゃんが帰ってくるのを楽しみにしていた。
大学を卒業し、4年ぶりに家に戻ってくるからだ。
蔡華学園の制服をハンガーにかけ、私服に着替え、階段を降りていった。