魔法使いの素質ナシ?
それから15分後、担任に案内されながらSクラスの生徒は薬学室へ到着した。

全員が席についたことを確認すると、授業が終わる頃にまた来ます、と言って担任は薬学室から出ていった。

担任が出ていくのと入れ替わりで、白衣を着た一人の男の先生が入ってきた。
その人は縁ナシの眼鏡をかけたいかにも何か作っています、という感じの風貌だった。


「皆さん、私が魔法薬学の授業を担当する八雲です。
この授業は二時間で一つの単位になっているので、最初の一時間は今日は何を作るのか、どのように作るのかを学んでもらいます。
そして休憩を挟んで、次の一時間で実際に魔法薬を作ってもらいます

皆さんの上達具合で、生成する魔法薬は難易度が上がっていきます。
少しでも、難しい魔法薬を生成できるよう頑張っていきましょうね!

今日は、何かと役に立つので、体力回復薬を作ってみましょう!
少しむずかしいので、失敗しても気にしてはいけませんよ!」


大まかな全体説明のあと、初回の授業だからなのか、それとも八雲先生の教え方なのか、どちらにしろとても丁寧に作り方やどういうときに使うのが効果的なのか、などをひとつひとつ教えてくれた。

そして、説明が終わったのはちょうど授業開始から一時間たったときだった。

「以上で説明は終わります。
次の時間は各自が実際に作ってもらいます。
班の中でどなたでもいいので、薬草を前に取りに来てください。
10分休憩したあとに作っていきますよ!」
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