魔法使いの素質ナシ?
休憩のあと、実際に体力回復薬の生成に取りかかったのだが、教科書や先生の説明通りに作っても、失敗する生徒がたくさんいた。

「途中で失敗しちゃったよって言う人はまだ薬草が残っているので、再挑戦してください。
コツとしては、自分の魔力を作っている薬草に移す感じで、作ることです。

例えば、本城さんみたいにね」

結愛以外の人はどこかで皆失敗していたがただ一人、教科書を見ながら一度も失敗することなく、最後の仕上げに取りかかっていた。

そんな中、急に自分の名前が呼ばれ、優愛は少し驚いた。

「本城さん、もうすぐ完成ですね。
本城さんだけですよ。
どうやら、本城さんは魔力の扱い方がとても上手なようですね。

自分の体力回復薬を作り終えてからでいいので、他の人に作り方をアドバイスしてあげてください。
よろしくお願いします」

「はい、わかりました八雲先生」

それから優愛は自分の体力回復薬を作り終え、八雲先生に提出した。

優愛はすぐにクラスメイトに助けを求められたので、先生のもとから離れた。

だから八雲先生の

本城さんは魔法薬学の才能があるかもしれない。
こんなにも使う相手を思って作られた体力回復薬は始めてみた。

という呟きには気づくことはなかった。


他のクラスメイトも結愛からアドバイスをもらい、なんとか時間内に体力回復薬を作り終えることができた。


「もうすぐ、授業が終わります。
今日は皆さんが作り終えることが出来ました。
これからも、皆さんが協力して頑張っていきましょうね!

それではもう、あなたたちの担任も来ているようなので、終わりにします」

そう言って八雲先生は薬学準備室へ皆が作った体力回復薬を置きに行った。
< 16 / 32 >

この作品をシェア

pagetop