an HappyBirthday letter
女なんてやめたかった。


「さあ、どこから見よっかな〜」

パスワードを無事にあて、開くことのできた私は、弥生のパソコンに夢中になっていた。

とりあえず検索履歴から見ることにした。

ショート ヘアアレンジ
肌 白くするには
誕生日 女の子 喜ばれる
おいしい 簡単 スイーツ

「可愛いかよ笑」

私はにやにやしながらボソッと呟いた。
弥生は可愛いのだ。顔も性格もすべて。それはそれはみんなが惚れてしまうくらいに。

私はどんどん遡った。
そしてあるひとつのキーワードを見て手をとめた。

人殺し バレない

おいおいまじかよ。
なんで弥生がこんなことを、、、。
まあこれは警察の手に渡らなくて大正解だな。
私はそう考えながら、履歴を辿っていろんなページに飛んだ。
それを見て、1番感じたこと。


似てる。
似すぎている。

ある事件に。

3年前。私の学校ではある事件が起きていた。
3年男子生徒が殺されたのだ。
犯人はまだ捕まっていない。
なんでも、数日たっても帰ってこないその男子生徒を心配した親が警察に捜索願を出した。
しかし、見つからない。どこを探しても見つからない。数ヶ月たって警察が諦めた頃。

ミツカッタ。

山奥に住む老婆が飼っている犬小屋から見つかったのだ。まあ、そうはいっても頭蓋骨のみ。
既に白骨化はしていたのが、歯の治療後、骨格を考えて本人で間違いないらしい。
一時はその老婆が疑われたが、
その老婆は寝たきり。まず無理だろう。
寝たきりの老婆をいいことに
犯人が隠したに違いない。
それから色んなところで体の一部が見つかり始めた。どれも共通点があった。
空き家、あまり外に出ることの出来ない家主の家、
など、人目にあまりつかない"家"に棄ててあったのだ。
いろんな人が犯人の考えについて説いてはいたが、
まあ、正直皆全く犯人の意図がわからなかった。


これが3年前の事件で私が知っていること。

なんで私が似ているとおもったのかは、
まず人の解体の仕方が検索されていること。

しかし、なによりも、
体が隠されている家についてとても細かく調べてあった。そしてニュースにも出てないような、隠し場所まで地図にマークがしてあり、住人が外に出ない時間帯までもがメモしてあった。

最近は
なんとかビューでいろんなのが見れるからなぁ。
はたして。
それは便利でいいものなのか、
それとも、
害を与える上で便利なものなのか。

「ちゃんと消さなくちゃダメだよ、弥生。」

私は冷静だった。
別に弥生が人を殺してても何も思わない。
そんなことで私が弥生を嫌うわけない。
それよりも、弥生をそこまでさせた
"ソイツ"の方が嫌いだ。

確かソイツは1年にも手を出してたなぁ。
1回だけ弥生と一緒にいた時
ちょっかい出されたっけ。
弥生が可愛いからって調子乗ってたなぁ。
あの時は私も


殺したかったなぁ。


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