an HappyBirthday letter
私が黙々と調べていると
ギシッ
木が軋む音した。
私はそっとリュックからハサミを取り出した。
そしてドアから顔を少し出して廊下を伺った。
何もいない。
「なんだ、ただ軋んだだけか。」
そうほっとした時
後ろからガバッと押さえつけれた。
「離せぇ!!!!!!ころすぞ!!!」
私は叫んだ。必死に振りほどこうと力を込めた。
しかし床に押さえつけられて何も抵抗出来ない。
なんでこんなに力がないんだ。
だから女は嫌だ。
「まあまあ☆そんな汚い言葉女の子が使うものでは無いよん!」
私は顔が青ざめていくのを感じた。
動悸が止まらない。冷や汗が止まらない。
「なんで、、、?ちがう!
あれは、夢、夢だったもん!!」
そう私は自分に言い聞かせるように言った。
その時私を後ろから抑えているソレは、私の耳元に顔を近づけて言った。
「だから言ったじゃん!☆もう〜!!!☆
逃げても無駄なんだよ。」
私はハサミを振り回した。自分にあたってもいい。
こいつに少しでも当たればいい。
そう思ったが、まるで何も手応えはない。
そうやってじたばたしているうちにソレは私の首に手をかけ始めた。
く、苦しい。どんどん気が遠くなっていく。
こいつに殺されている場合じゃない。
なのに、なのに!!!!!!!!!
私は死ぬか死なないかその間をソレは保っている。
気が遠くなったら手を緩め、気がはっきりしてきた頃に手を強めてくる。
はは、こんなピエロどこかにもいたっけな。
「心配しないでよ〜!☆
僕は君に害を与えたいわけじゃないよ〜!殺したりなんかしない!!」
どういうことだ、、?
「だって、、、殺すだけじゃつまんないでしょ?
僕つまんないのだいっっきら〜〜〜〜い☆
まずはちゃんとお客様呼ばないと!!!
パーティーは始められない!!!!☆」
私は気が遠くなって頭が全然働かなくなってきた。
それに気づいたのかソレは首から手を離しまた頭を押さえつけて続けた。
「まずは弥生ちゃんだっけ、、?その子から招待したよ!!!!大好きでしょ!!??☆」
私ははっと目を開いた。
や、、やよい、、?
なんて言ったこいつ。
「でも僕あの子あんまり好きじゃないかもぉ〜〜
だって、、環奈ちゃんに対して好意持ってるんよぉ!!!あ!友達としてではなく!!下品なやつだよぉ!☆」
「うるさい!!!!!黙れ黙れ黙れ黙れ!!!!!!!!!!死ね死ね死ね死ね!!!!!!!」
私は叫んだ。そいつの言葉を遮るように。
実は知っていた。
弥生が私に対してそう思ってたこと。気づいてた。
私だって弥生に依存していた。でも、でも
弥生と同じように想うことがどうしても出来なかった。私が女じゃなくて、男だったら男だったら答えれてあげていたのかな。ごめん、ごめん弥生、、。
そう考えながら泣きそうになっていた私に
ソレは続けた。
「あの子日頃何してたと思う〜〜〜??教えてあげようか?☆あの子!!環奈ちゃんのこと考えてシテたんだよぉ〜!!!きんもちわるぅぅ〜〜い!!だから僕少しでも綺麗にしてやろうと思ってお花付けてあげたんだ!!!!偉いでしょ〜!!!」
私はそれを聞いて悟った。
弥生を殺したのは
コイツダ。
「ぅぅううううわあああ!!!!!!!!!」
私は叫んで立ち上がろうとした。
ソレはペラペラ喋ることに集中していて急にバランスを崩し倒れた。
それをきっかけに私はそいつに向かって
ハサミを振り落とした。
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!!!!!!!」
何度も何度も。刺した。
「ぐふっぐふっ、、うっっ!ぐ」
そいつは何度刺されながらも笑っていた。
初めてその姿を見たがやっぱりそうだ。
あの夢で見た"ピエロ"だ。
あの時は逃げることしか出来なかった。
でも今は違う。
私だってやられてばかりじゃない。
気づいたら私は大粒の涙を流しながらそいつを刺し殺していた。
まるで弥生を助けることが出来なかった
私を殺すように。
はっと我にかえった時。
ソレは動かなくなっていた。
私は急に怖くなってハサミを投げ捨ててその家を出た。がむしゃらに走った。乗ってきた自転車を置いてきたことに途中気づいたがそんなことどうでもいい。家に帰りたい。
我が家に着いた。
家の玄関を開けて立ち尽くした。
ピエロの返り血でベトベトだ。
「ははっ、生臭いっつーの、
ゾンビゲームの主人公すげえなぁ。
私だったら無理。笑」
私は気が狂ったように笑った。
笑って泣いて笑って泣いた。
その時プツンと何かが切れた。
目の前が真っ暗になってそこで記憶は止まった。