過去消しゴム
別に、イジメられていたり、ハブにされている訳ではない。


友達はいるし、楽しいと感じることもある。


ただ、なんとなく気が乗らない。


「はぁー…」


無意識に漏れる溜め息。


「どうしたの?体調でも悪い?」


キッチンからお母さんが問い掛けてくる。


「ううん。なんでもないよ!」


心配させないように、明るめの声で受け応える。


「それなら良いけど…。早く行かないと、そろそろ時間じゃないの?」


時計を確認すると、いつも出る時間を5分過ぎている。


「あっ、ホントだ!ごちそうさま!行って来まーす。」


バタバタと慌ただしく家を出る。
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