過去消しゴム
「…!?」


思わず身体がビクッとなる。


「あっ、あの、ごめんなさい!勝手に入ったりして…」


明らかに動揺をした様子でいると、今度は優しげな声で


「構いませんよ。何か、お探しで?」


と、訪ねて来た。


「えっ?あの…」


チラッ、と声のする方へ目を向けると


1人の優しそうな老婦人が、小さな椅子に腰掛けているのが見えた。
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