ワンコ時々オオカミ

彼女は梓の前に座り両手を包むように優しく両手で胸のところまで持ち上げ 目を合わせるようにしてほほえんで言った。

「知っでます、大諏訪 梓(オオスワ アズサ)さん26歳お父様の会社で営業一課の主任、成績はトップクラスで会社のエース級ですね。あっ、あとセフレさんがいっぱい。」とぎゅっと手を握ってニコリと微笑んだ。


「うっ。調べたんですね？」と手を離そうとしたが、ぎゅっと握られた。

「はい、それに駆け落ちさせたのは私ですから。こちらもいろいろ事情がありますのでこの話をなかった事にできません。」

「エッ、いまなんて？」

「駆け落ちさせたのは私です。」

「えー。」あまりの驚きに声が大きくなってしまった。

「落ち着いてください。」といちだんと強く握った。

「訳は後で話します、このまま尊さんのふりをしていて下さい、私は騙されたふりしていますから。」