ワンコ時々オオカミ
……5分後

「お待たせいたしました」と女性が小走りでやってきた。

「いえ、これお土産です」と営業スマイルで紙袋を渡した。
(なんかかわいい、まもってあげたい子だなぁ〜)

首から下げている名札には

副社長 秘書 水瀬 美優

(水瀬さんか〜けど真琴を迎えに来たのは確か火室って言ってなかったたか?副社長には二人いるのか?)

「ありがとうございます、わざわざすみません」とほほを染めながら受け取った。

「ご案内いたします、こちらに」と歩き始めエレベーターホールまできた。

丁度来た役員用のエレベーターでいっきに30階まで上がった、その間何も話さず彼女は俺に背を向けていた、人見知りかな?たいてい俺が何も言わなくても向こうから話しかけてくる、ポォンと扉が開きき水瀬は扉に手を置いて「どうぞ」と言った。

「すみません」とエレベーターを降りる。
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