ワンコ時々オオカミ
 「若様、そんなおっかなびっくり捕まってないでちゃんと捕まって、振り落とされても知りませんよ」

「おぉ」 (きっと今の俺の顔真っ赤だろうなぁ〜こんなの初めてだからやってるより恥ずかしい気がする)と思いながら本郷に回した腕に力を入れる。

「そうそう、ちゃんとできるじゃあないですか」

「おっオー」

「シーチャン タイヘン サッキ ノ オンナノコ タクシー デ ツイテキマス」

「えっ?」と梓は首を左右に振る。

「若様どうしました?アッ、そっかナビちゃん挨拶して」

「ハーイ」

 「ウワッ」と梓は本郷に回した腕が外れそうになった。

 「若様大丈夫ですか?」と外れそうになった腕を片手で抑える。

 「だっ大丈夫」

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