離婚前提策略婚。【改訂版】
着替えすらしていない。座ったまま横になって寝たのか?こんな広いベッドなのに端に寝るなんて変なやつ。


土台が優しい俺は、あいつを抱き上げベッドの真ん中に寝させた。起きた時、俺の優しさに気付け。


にしてもこいつが寝ちまったら飯、どうすっかな。作る気は皆無だし今から食べに行くのもコンビニに行くのも、なにもかも面倒だ。


うだうだ考えながら俺も横になる。

頬杖をついてあいつの顔を見つめた。


寝ている時は可愛げがあるんだな。起きてると面倒くさくて変な女だけど。

高所恐怖症だなんて落としやすい弱点まであるし、こいつを落とすのに時間はそうかかんねぇだろ。


─あ~、明日も会社だりぃ。

でも今日休んだから絶対行かねぇと。親父がいないぶん麻友ちゃんは忙しいから、あいつの親父と接触する時間は少ないだろう。けど麻友ちゃんがいきなり変なことを思い立ったらまずい。


本当にまずいのは親父が帰ってきたらだ。社長室にはいられなくなる。俺の勉強の為と言えば、麻友ちゃんは常に俺と行動するからその点は安心だ。

ただ親父を言いくるめるのはきつい。半年間出張してれば楽なんだけどな。

そこまで俺の運は強くないか…。

なにか対策を…考え……ないと……。

……

………。
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