離婚前提策略婚。【改訂版】
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─う、なんだこの鈍い痛み……。


ぼんやりとする感覚。でも確かに感じる。


「なんであんたがここで寝てんのよ!」


…この声…あいつか…?くそ、足が痛ぇ。


ゆっくりと瞼を開けると、華乃が物凄い形相で俺を睨んでいた。


「…もしかして蹴った?」

「もしかしなくても蹴ったわよ!なんでわたしの隣で寝てんの!?入って来ないでって言ったのに!」


ありえねぇ…。俺を蹴るなんてこの女……。


「それより変な体勢で寝てるあんたを運んでやった礼が先じゃねぇのか」

「なにそれ、知らないわよ。わたし昨日は眠れなかったんだから」

「はあ?部屋に入って即行で寝てたくせに、何言ってやがる」

「そんなわけないでしょ!昨日はあんたが馬鹿みたくキスなんてするから…」

「なんだよ、キスされて眠れなかったのかよ」


爆睡してたけど。可愛いとこあるんだな。あのキスも無駄じゃなかったってことか。


「ち、違う!」

「真っ赤な顔して、ほんと素直じゃねぇな」


笑えるくらい真っ赤のくせして、どんな言い訳も通用しないっての。
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