離婚前提策略婚。【改訂版】
「今日社内報の取材受けたから、遅くても来週には社内に俺らの入籍が知れ渡る。そうなるとマスコミにも知られるから、こんな公の場で不用意な発言をすると、計画が台無しどころか週刊誌の餌食になるぞ」

「…は?ま、マスコミ?週刊誌?なにそれ」

「お待たせしました!お飲み物のご注文どうぞ!」


男性的店員が注文を取りにくる。女の子たちはショックで立ち直れないのか、こちらに近寄れない様子。なんだか申し訳ない…。


「テキーラロック」

「は?!あんた明日仕事でしょ?!大丈夫なの?!」

「や、余裕だろ。華乃は?またカクテルか?」

「今日はレッドアイ」

「うげ。あんなん飲めんのかよ」

「なによ、美味しいじゃない。わたし好きなの。お願いします」

「テキーラロックとレッドアイですね。かしこまりました」


店員がいなくなると、あいつは頬杖をついた。


「本当に何も知らないんだな。俺、今まで何度も週刊誌に撮られてんだよ」

「な、なんで?!」

「神田グループ社長子息、毎日豪遊三昧!的な記事。他の会社で次期社長が俺みたいなやついないんだろ。マスコミも暇だよな」

「う、嘘…」


そんなの全然知らないよ…。
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