離婚前提策略婚。【改訂版】
「珍しいな。崇憲が失敗合コンの後の飲みに参加するなんて」


…え…。

崇憲?まさか、違う人だよね?


後ろの席に着いた男三人組の会話が、わたしには丸聞こえだった。


「なんだよ今日の女共、レベル低すぎ」


こ、この声、わたしの知ってる崇憲と同じ声…。


「…華乃ちゃん?」


あいつが呼んでいるのなんて全く気がつかず、わたしの耳は後ろにばかり集中する。


「そうか?まぁ良くはなかったけど」

「カモになりそうなやつ一人もいねえ」

「カモってなぁ、合コンは貢いだり処理機になるような女を見つける場じゃないんですけど」

「淳史こそ処理機目的じゃねぇか」

「人聞き悪いな。一応俺には愛情ってもんがあるけど、崇憲は完全道具としか思ってないだろ」

「つーか淳史も崇憲も愛情なんてくそもねぇだろ。俺だけだよ、純粋に彼女目的で合コンしてんの」

「達也、まず合コンでまともな恋愛を期待する時点で間違いだ」
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