離婚前提策略婚。【改訂版】
「な、何?いきなり。ああいう感じって?」

「見た目は爽やかだけど、腹黒くてむっつりしてそうな男」

「は?!」


こいつには崇憲がそんなふうに見えたの?!


あいつの方を向くと、初めて見る仏頂面。まるで子供みたい。


ていうかそこが気になるの?もっと他に言うことあるでしょ…。


「あそこまで言われるほどはまってたんだろ?」

「…別に見た目は関係ない」

「少しはあるだろ」

「…誰でも良かった」

「は?」


どういうつもりかは知らないけど、さっきの場でわたしはこいつに救われた。本当にありがたかった。


ただの気まぐれかもしれないし何か裏があっての行動かもしれないけど、こいつのお陰ですっきり崇憲を忘れられそう。もうばれてるし、これ以上こいつに見栄を張る必要なんてない。


「わたしはあんたが思ってる通り、男に相手にされたことなかったの。わたしを女として見てくれたのが崇憲しかいなかった。それだけ」


呆れられるかな。や、もう最初からこいつには気づかれてたんだし隠すこともないよね。


「好きだから色々したけど、きっとそれが崇憲じゃなくても、わたしを女として見てくれたら誰でも好きになってた」

「…それ、違うだろ」

「え?」
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