離婚前提策略婚。【改訂版】
「昨日俺は華乃を女としてキスした。でも華乃は俺を好きにならないだろ」

「そ、それは…。だって、あんたのはふざけてるっていうか、わたしを馬鹿にしてるだけだってわかるもの」

「あいつは違うんだ?」


意地悪そうに笑う。その表情に胸が締め付けられる。


「…今思えば同じかも。全部が崇憲が初めてだったから、何もわからずにとにかく好きになって、はまって、抜け出せなくて…。 あんたのお陰で卒業できたよ。本当にありがとう」

「不倫の心配はないかと思ったら、結構抜け目ないんだな」

「なっ!不倫なんてするつもりないから!」

「感謝するなら、さっきみたく名前で呼べよ」

「─え?」

「ちゃんと俺のこと名前で呼べたろ?あんたって言われるよりは気分いい」

「……」


なにそれ。それが今日のお礼なの?


変な奴…。
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