離婚前提策略婚。【改訂版】
でもわたしの見た目とかは?いくら計画の為とはいえ気にならないの?


「じゃあ自分の為にしたんだ」

「当たり前だ。あんなクソみてぇな男と関係続けられて、スキャンダルにでもなったらいい迷惑だしな。…もしかしてときめいた?」

「──!」


めちゃくちゃニヒルな笑いを向ける龍成。

こういうのがムカつく。さっきまでの空気は見事に消え去った。


「んなわけないでしょ。帰るよ」


エンジンをつけてハンドルを握った。


「せっかくだしキスでもしとく?」

「ぶっ!」


な!何を言い出すんだこの男!


「し、しません。」

「こんな場所に来といて、何もしないで帰るのかよ」

「別にキスする為に来たんじゃないから。ていうかなんで龍成とそんなことしなきゃいけないのよ」


アクセルを踏み、ハンドルをきる。


「な。ここ、他のやつともう来るなよ」

「は?なんで?」

「俺らの思い出の場所にするから」

「なんでそんなものがいるの」

「うるせーな。偽装結婚の記念だ」

「なにそれ。友達もだめなの?」

「だめ」

「変なの」

「あと、華乃が悪い男から卒業できた記念」

「──」
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